あけぼの。

遅くなってごめんね。
ラストはあけぼの。の作詞秘話いくよ〜

あけぼの。は一度配信でも話したことがあるから、その時に聞いていた人はわかると思うんだけど、これまた長い長い解説になっちゃうの。でも、当日にもなってしまったから少しだけ簡略化しつつ、要点が伝わるように書いていくね。

そもそもmoonlightと踊りゃんせはほぼ同じタイミングで作詞をしました。だから、あけぼの。は全然違ったタイミングで違った心境で書きました。この曲の発表タイミングがバトルライブになるかもしれないタイミングでもあったので、どんなものがいいかな〜と曲をもらう前は悩んでいたんだけども、、、案外あっさりこれも決まりました。

あけぼの。これは枕草子をモチーフに全体を仕上げました。あけぼのという言葉自体にはいろんな意味が含まれているけど、私の中であけぼのという言葉の第一印象は夜明けです。私は夜明けがとても好きで、真っ暗から空が澄んでいくのがすごく前向きになれる瞬間で。孤独になっちゃう時もあるけど、それでも夜明けが過ぎて太陽が見えたらその気持ちは溶かされていくから、1日の中であって欲しい時間が夜明け。
タイミングもよく春の始まりで、新しいぺぴ戦の挑戦の始まりだとも思っていたから、すごくぴったりなテーマだと思ったの。だから、今回はタイトル先行。

さて、本題に入りましょうか。
この曲はベースが枕草子であることと、2人でしか歌えない理由がたくさん詰まってます。

まず1番Aメロは枕草子第1章の春夏秋冬をモチーフにしました。そしてその春夏秋冬を歌うパートにも意味があります。

《桜靡く春の兆し光が示す道標》
私が春という季節、そしてそのパートを歌うゆりうどんに感じてる印象です。春の始まりという喜ばしい出来事の中で、私にとっての光が示す道標。ここをまっすぐについていこうと思わせる姿。

《三つ数えて始まる音夏の夜に耳澄ます》
夏は夜に風情を感じると清少納言はいうけれど、私にとっても夜は音楽が始まる時間として大好きな時間。虫の声やライブハウスでよーいどんで始まる音を楽しめる夏の夜。注目して欲しいのはみいっつ数えて。ってところだね☺︎

《揺れる街は秋の香りそれでも凛と咲く花を》
炎天下で揺れる都会の街並みは9月にもめり込んできていて、ゆりうどんの季節秋にもジリジリとするけれど、その中で凛と咲く花(ここではゆりの花だね)を

《一輪でも握りしめて冬にあなたを待つ》
そのゆりの花を逃さないように、大切にそっと抱きしめて手を握りしめて、また始まる春の導きを待つ期待で満ちた心。冬の寒さに負けることなく、努めて努めてそうやって春にまた咲けるように。

《月明かりの中で踊る僕たちは何が正しいかなんてわからない》
これは私の思うこと。何度も言うけれど、誰かの言葉にも私の言葉にも正解はなくて、どの道を進むことが良かったのか、今よりもいい道があるのか。そんなことは誰にもわからない。今こうやって夜の街で踊って歌ってをしていることが答えだとは限らない。
それでも。それでも。

《ちゃんと立って心震わせて
しゃんと鳴らして自由になって
想定外のことが起きても
新しいドア開けばいい》
何回転んでも捻じ曲がらないでまっすぐ自信持って立って。自分の気持ちに蓋をして喜怒哀楽をなくすくらいならたくさんの感情を溢れさせて。一つ鍵を解き放つように自分に素直に自由になって。人生は理解できないことわからないことの連続だから、そんな時は不安に思うんじゃなくて新しい可能性を見つけて新しい道を探して一歩踏み出してみることが大事だよね。それが今、夜明けという場所だと私は思う。このサビにはそんな意味を込めてるの。

2番Aメロと3bも枕草子の章から大枠を作りました。
第26段心ときめきするもの。
第145段胸つぶるるもの。
第146段うつくしきもの。
この章がとても印象深く、もし私がこのテーマで描くのならどちらだろうと思い歌詞を書きました。きっと芽生えのイメージは私の方があって、しとしとと降り注ぐ雨風はゆりうどんのイメージが強かったからこのパート分けにしたよ。

《僕の心ときめくこと小さかった蕾が空を見上げて芽吹いてる姿あなたと見てること》
この曲に出てくるあなたや2人は私が歌う時はゆりうどんと私、ゆりうどんが歌う時はみんなと私たちのイメージが強くなるように書いているのもポイントです。小さな命の芽生えや本当にちょっとした日常の出来事、そんなワンシーンをゆりうどんと過ごせていることが大きな物事よりも正直幸せで生きてるなって思う時です。どでかい感情を感じてももちろん生きてる!ってなるんだけど、ふとした時になんで私はここにあるんだろうって存在意義を確かめたくなるのと同じように、ただ一緒に帰ってたわいない話をしたり話をしなくても一度も目が合わなくても程よい距離感でいて。そんな毎日がときめくことだなって強く思うの。

《僕の心ざわめくこと雨の雫風に流れてずぶ濡れになりながらただ2人で笑うこと》
どんな困難があっても、それが自分たちのことであっても周りのことでも、それを感じながら逃げないでただただ笑っている方がずいぶん幸せなことだと私は思う。心のざわめきは自分を発起させるのには必要なこと。昔ゆりうどんと大雨の中傘がなくて走って帰ったことがあるようなないような気がするんだけど、どうだったかしら??(笑)
少なくとも私は雨の中走って帰った時に、気持ちが揺れたことがあったの。雨に濡れて、自分の嫌な気持ちも落ちたような気がしたな。そんなタイミングがあったの。

《十人十色なので解答例はないし、今が続く保証もどこにもない》
そう、1bでも伝えたけど正解はない。理系には答えがあるけど、人間の生き方に答えはなくてみんなが1人自分の人生に迷って傷ついて立ち向かって生きてると思うの。本当に強いよ。たくさんの人がコロナという状況下で当たり前だった日常を奪われて。私たちも学生生活という12年間当たり前になるはずだったものが最後の年をほとんど失って。今やれることは今やらないと後悔するっていう言葉の意味をすごく実感した。当たり前が当たり前じゃなくなるっていうのは、生死の話でもあるよね。どれだけ生きたいと願っても叶わない時がある。逆にどれだけ自分の存在を消したくても生きていかなきゃ行けない時もある。世界は自由だけど、自由じゃない。いろんなしがらみに拘束されてる。それでも。

《ちゃんと立って心震わせて
愛し合っていつの時代も
あなたの叫びが
消されて良いわけなんてないから》
どんな時も私は立っていたい。本当は進み続けていたいけどそうできない時もある。でも、それでも立ち続けていたい。しゃがみ込むことは全く否定しない!私は立ち続けることで、そんなしゃがみ込んだみんなのそばに行ける準備をしていたい。愛し合うことは簡単じゃないけど、有名なアニメの主人公がいうように愛と勇気だけは裏切らない。いつの時代でもこんな流行病の時代でも、自分の意見を、押し殺す必要はないし、声を出せない苦しみを味わう必要もない。

《美しき世界で生まれた全てのあなたの未来に幸あるように》
これはゆりうどんが歌うから成立する歌詞。どれだけ歪みあっててもやっぱり私はこの世界が美しいものであると感じていたい。歪な形をギリギリのバランスで保っていて、人と人が支え合っているこの世界に生まれたすべての人々もっといえば今この歌を聴いている貴方の未来が明るいものになるように。その起点が今ここからであったら、そんな嬉しいことはない。

《ちゃんと立って心震わせて
しゃんと鳴らして自由になって
想定外のことが起きても
新しいドア開けばいい
ちゃんと立って心震わせて
愛し合っていつの時代も
僕らの叫びがあなたに届きますように》

そんな今思う始まりの合図がちゃんと嘘じゃないと、みんなに伝わりますように。
夜明けの時。ここから一緒に始めましょう。
そんな歌です。

コールアンドレスポンスもあって、なお声を出してかけ合って伝え合って絡み合って。そこに意味をもたらしていきたい。

ゆりうどんへの想いを込めた歌ではあるんだけど、ゆりうどんが歌うパートに込めたみんなへの想いは私の想いでもあるから、伝わりますように。届きますように。

自分が思っていることがうまく人に届かなくて、悪い方向に汲み取られてしまうことが本当に怖い。だから、できる限り自分を曝け出して、嫌われても間違った印象になるよりはいいかなって思っちゃう。でも、嫌われるのは怖いよ。笑

3bの部分の振り付けは手話になってます。美しい世界で出会ったみんなの未来が幸運であることを願っています。そんな振り付け。

今日ははありがとうって。やりたいな。

よし。頑張ろう。行くよ。楽しもう。


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